ウクライナ復興で見えた遠隔施工技術の活用への画像

ウクライナ復興で見えた遠隔施工技術の活用へ

ウクライナ情勢

上原 太樹

筆者 上原 太樹


 国土交通省は6月12日、国連開発計画、UNDPとの間で、ウクライナにおける国土交通分野の復旧・復興に向けた連携強化に関する協力趣意書へ署名したと発表した。署名式は6月11日に実施され、双方は技術協力、情報共有、具体的案件の形成などに取り組むとしている。特に注目されるのは、日本企業が持つ遠隔施工技術の活用である。国交省は、ウクライナでは復興需要の急増や人手不足、安全な作業環境の確保が課題になっていると説明しており、遠隔操作技術が省人化や危険作業の回避に役立つ可能性がある。署名式では、JUPITeR会員企業であるコベルコ建機とソリトンシステムズがUNDPと締結した協力覚書も紹介された。外構・土木業界にとっては、遠隔施工、ICT建機、省人化施工が災害復旧や危険区域作業だけでなく、将来的に国内の造成、解体、擁壁、法面、土工事にも広がる可能性を示すニュースである。 

 ウクライナでは戦争によるインフラ被害が広範囲に及んでおり、道路、橋梁、公共施設、住宅、上下水道などの復旧が長期課題になっている。UNDPは、がれき処理、処理施設整備、機材供与、人材育成、安全基準導入などを進めている。日本側では、JUPITeRという官民協議会の枠組みを通じ、復興分野への日本企業の参画を支援してきた。今回の連携は、単なる資金支援ではなく、日本の建設技術を現地復興に結びつける動きといえる。

 事実として、国交省は遠隔施工技術をウクライナ復興支援に活用する方向を明示している。遠隔施工は今後、災害復旧、危険地帯、土砂災害現場、老朽インフラ撤去などで重要性が増すと考えられる。外構会社としては、実務に直ちに導入される技術ではないが、省人化施工、ICT建機、遠隔確認、施工記録のデジタル化は中小建設業にも波及する可能性がある。特に、造成・擁壁・土工・解体など重機作業が多いため、将来的に「人手不足を補う施工技術」として注目すべきテーマである。